LLDPEとは(直鎖状低密度ポリエチレン)

LLDPE(Linear Low Density Polyethylene/直鎖状低密度ポリエチレン)は、ポリ袋素材の中で最も強度が高い部類の樹脂 です。

薄くても破れに強く、角物・重量物・部品袋など、工業用途で広く使われています。

LDPEよりも強靭で、HDPEよりも柔らかく、コストと強度のバランスが非常に良い万能素材 といえます。


LLDPEの特徴

① 貫通強度・引裂強度が高い(角物に強い)

LLDPEが最も評価されているのは 耐破れ性の高さ

金属部品・工具・角の立った製品などでも破れにくく、「LLDなら0.03〜0.05mmでも十分使える」ケースが多い素材です。

② 柔らかくしなやか(LDPEに似ているが強い)

触感はLDPEに近く柔軟ですが、強度はLDPEの上位互換にあたります。

③ HDPEより透明性が高い

LDPEほどではありませんが、LLDPEはHDPEよりも透明性があります。

中身の確認が必要な工場や物流現場で扱いやすい素材です。

④ 薄肉化に強い(コストメリットを出しやすい)

“薄くても強い” ため、厚みを減らしてコストを落とす 設計がしやすい素材です。

例)LDPE 0.05mm → LLDPEなら 0.03mm へ薄肉化できることも多い。


■ LLDPEのメリット

  • 薄くても非常に強い
  • 角物・重量物に強い(工業用途の定番)
  • LDPEより強く、HDPEより柔らかい
  • 薄肉化しやすくコストメリットが出る
  • 加工しやすい
  • 透明度もそこそこ高い

■ LLDPEのデメリット

  • LDPEより透明性が落ちる
  • HDPEほどコストは安くない
  • “ツヤ” を出したい袋には向かない
  • 印刷適性は LDPE ほど高くない

■ LDPEとの違い

比較項目LLDPELDPE
強度とても強い普通
伸びよく伸びるが破れにくいよく伸びる
貫通強度高い中程度
透明度高い(もっと透明)
コストやや高いやや安い
向く用途工業用・角物・重量物透明袋・印刷袋

・強度優先 → LLDPE

・見た目優先 → LDPE


■ HDPEとの違い

  • LLDPEの方が 圧倒的に破れにくい
  • HDPEは薄くて軽いが、角物には弱い
  • LLDPEは柔らかくしなやかで加工しやすい
  • HDPEはコストメリットが出しやすい

■ LLDPEが向いている用途

工場・建築・製造業では最も採用される素材 です。

  • 金属部品の包装
  • 工具・金具・ネジ類の小分け
  • 角のある製品の保護
  • 中重量物の梱包
  • 厚みのある袋(0.03〜0.1mmなど)
  • 工業用ゴミ袋
  • パレットカバーの内袋など

LDPEより強く、HDPEより柔らかいため、工業×強度のバランスが最も良い素材です。


■ LLDPEを選ぶポイント

  • 破れに強い袋が欲しい
  • 角物・重量物を入れる
  • 透明度より強度が重要
  • HDPEでは薄すぎて不安
  • LDPEから薄肉化したい
  • コストを抑えつつ強度を確保したい

どの厚みにするか迷った場合は、サンプル比較で素材の違いが分かりやすくなります。


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