HDPEとは(高密度ポリエチレン)
HDPE(High Density Polyethylene/高密度ポリエチレン)は、ポリ袋や包装資材で広く使われている素材のひとつです。
「シャリシャリした質感」「カサカサ音がする」など、レジ袋や農業・食品の薄手袋によく使われる特徴を持ち、軽量で強度が高く、コストを抑えられる 点が大きなメリットです。
HDPEの特徴
① 引張強度が高い(引っ張りに強い)
HDPEは分子が密に並ぶ構造のため、薄くても一定の引張強度が出ます。
軽量物や大量消費に向く理由のひとつです。
② 伸びにくい(破れやすいわけではないが“硬め”)
LDPEやLLDPEと比べて伸びが少なく硬い素材です。
袋がパリッとしていて、開口性に優れます。
③ 貫通強度はやや弱い(角物に向かない)
引っ張りには強い一方、角のある部品・金属などでは突き破りやすい傾向があります。
④ コストが安い(薄肉化しやすい)
同じ用途なら LDPE よりも薄くできるため、コストメリットが出やすい素材です。
HDPEのメリット
- 薄くても強度がある
- コストを抑えられる
- 開口性が良い(袋が開きやすい)
- 透明度は低めだが“中身の影”が見える程度
- 大量消費の現場向き
HDPEのデメリット
- 伸びが少なくゴワつく
- 透明性が低い
- 角のある部品には不向き(貫通しやすい)
- 重量物には向かない
HDPEとLDPE・LLDPEの違い
● HDPEとLDPEの違い
- LDPEは柔らかく伸びる素材
- HDPEは硬く破れやすいが薄肉化できる
- 綺麗な透明袋はLDPEが向く
- 安価で軽量用途はHDPEが向く
● HDPEとLLDPEの違い
- LLDPEは非常に破れに強く、角物や重量物にも向く
- HDPEは薄く作れるが、耐貫通性はLLDPEが圧倒的に上
- 業務用・工業用では LLDPE の方が採用されやすい
■ HDPEが向いている用途
HDPEは以下のような 軽〜中量物中心の用途 に適しています。
- レジ袋
- 透明度を重視しない食品包装
- 野菜袋・青果袋
- 工場での小物の小分け袋
- 取っ手付き袋(シャリ袋)
- コスト重視の薄手ゴミ袋
逆に、金属部品・角物・重量物の場合はLLDPE や厚めの LDPE の方が適性が高いです。
■ HDPEを選ぶポイント
- “薄くて軽い袋が良い” 場合に最適
- コストを抑えたい場合に有利
- 透明度は低めなので見た目重視には向かない
- 角のある内容物には注意
- 同じ厚みなら LDPE・LLDPE の方が破れに強い
用途によって最適な素材は変わります。
関連ページ
■ 素材選定・ご相談はこちら
「HDPEとLDPEどちらが良いか?」
「薄くしてコストを下げられる?」
「角物だけど何mmにすべき?」など、用途に合わせて最適な素材をご提案します。