普段「ビニール袋」と呼ばれているレジ袋・ゴミ袋・透明規格袋などは、実はすべて ポリ袋(ポリエチレン製) です。
かつては 塩化ビニル樹脂(PVC)=ビニール製の袋 が使われていましたが、環境面の課題や加工特性の問題から使用が減り、現在流通している袋のほとんどは ポリエチレン(PE)製のポリ袋 に置き換わりました。
【ポイントまとめ】
- 今のレジ袋・ゴミ袋 → ポリ袋(PE袋)
- ビニール袋(PVC袋)は現在ほぼ使われない
- 「ナイロンポリ」「PP袋」など別素材の袋も存在する
ポリ袋とは(PE袋)
原料が ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP) の袋の総称で、以下のような用途で最も広く使われています。
- レジ袋
- ゴミ袋
- 食品包装袋
- 工業部品の小分け袋
- 規格袋(0.02mm透明袋など)
PE袋には主に3種類あります。
【ポリエチレン(PE袋)の素材の種類】
HDPE(高密度ポリエチレン)
特徴
- 白く半透明・シャリシャリ音
- 開口性が良い(袋が開きやすい)
- 薄くても強度が出る
- 伸びないので避けやすい
主な用途
- レジ袋
- ロール袋(スーパーの薄い袋)
- ゴミ袋
- 「アイラップ」にも使用
LDPE / LLDPE(低密度/直鎖状低密度PE)
現在は LLDPE が主流。
特徴(LDPE・LLDPE共通)
- ツルツル透明
- 柔らかく伸びる
- シール(溶着)強度が高い
LLDPEが主流の理由
- LDより引張り・突き刺しに強い
- 破れにくく扱いやすい
主な用途
- 規格袋(透明の1号〜20号)
- 透明ゴミ袋
- 食品包装
- 工業部品袋
【LD・LLD・HDの共通点】
- どの素材もガゼット袋・シート・角底袋などに加工可能
- すべて「ポリ袋(PE袋)」である
ポリプロピレン(PP袋)とは?
PE袋より 透明度・防湿性が高い フィルムです。
種類は以下の3つ。
OPP(二軸延伸ポリプロピレン)
特徴
- パリッとした硬い透明フィルム
- 光沢があり中身を美しく見せる
- 伸びない・シール性がほぼない
用途
- 花・果物の包装
- アイス・キャンディ袋
- 店舗向けパッケージ
CPP(無延伸ポリプロピレン)
特徴
- OPPより柔らかい
- 衝撃に強く、シール性が高い
用途
- 菓子パン袋
- 海苔・海産物の包装
- 複合フィルムの素材
IPP(インフレ無延伸ポリプロピレン)
製造方法に特徴があり、側面強度が高い素材。
用途
- 食パン袋
- カレンダー袋
- 野菜包装袋
ビニール袋とは?(PVC袋)
原料が 塩化ビニル樹脂(PVC) の袋で、現在のレジ袋・ゴミ袋とは素材が全く異なります。
用途
- プールバッグ
- 透明ポーチ
- テーブルクロス
耐久性はあるものの、
可塑剤の問題や焼却時のガスの課題から日用品の袋としてはほぼ使われなくなりました。
※ 粂田商店では原則取扱いなし。
ナイロン袋(ナイロンポリ袋)とは?
ナイロン(NY)+ポリエチレン(PE)の複合フィルム。
特徴
- ガスバリア性が高い
- 衝撃・摩擦に強い
- シール性が高く密封に向く
- ボイル・冷凍にも耐える
主な用途
- 加工食品
- ソース・漬物
- 真空パック
- 冷凍食品
- 工業部品の防錆包装
透明ポリ袋とは別物で、内容物を保護するための高機能袋 です。
まとめ
- レジ袋・ゴミ袋・規格袋 → すべてポリ袋(PE袋)
- ビニール袋は昔の素材で、現在ほぼ使われない
- LDPE・LLDPE・HDPEは用途に合わせて使い分ける
- OPP・CPP・IPPは透明度・防湿性が必要な場面で使われる
- ナイロン袋(ナイロンポリ)は高機能パッケージ用途
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